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「サクリファイス」近藤史恵
- 2010/01/23(Sat) -
サクリファイスサクリファイス
(2007/08)
近藤 史恵

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書かれたのはどちらが先だったのかはわからない。
私が読んだのはこの「サクリファイス」の続編とも番外編とも言える「プロトンの中の孤独」からでした。

「プロトン・・・」はこの「サクリファイス」とほぼ同じ登場人物で構成される、同じ「チームオッジ」という自転車ロードレースチームの話です。
短編である「プロトン・・・」は、やっぱり番外編なのかな。
ただ、時系列でいけば「プロトン・・・」の方が前で、もしこれから読んでみようという人がいれば、ぜひ「プロトンの中の孤独」(新潮文庫ストーリーセラー)から読まれた方がいいと思います。

しかし、「サクリファイス=生け贄」とは。


先の「凍」に引き続き、またもや予備知識のない分野、自転車ロードレースです。

Nやんのオススメポイントは
「まー、おもしろいよ。映画かなんかになったらしい」
ちなみに「凍」のときは
「めちゃめちゃ面白い。沢木耕太郎はこれがサイコー」
でした。
・・・教授とはいえ、専門外になると語彙力はあまりないものです(^_^;)

私がどのくらい自転車ロードレースに造詣が深いかというと
1)ツールド・オキナワで友達がチーム優勝し、うれしかった
2)父がロードレース好きらしい
3)でもロードレースと言えば鈴鹿8耐とかオートバイでしょう(バイク好き)
ぐらい(^_^;)

だから「プロトン・・・」を読み始めたときも、いつになったら宇宙の話題になるんだ?と思いながら中盤まで読み進めてしまいました。
(ここでのプロトン=自転車レースの先頭集団、私のプロトン=星間物質のプロトン化水素分子)

でもほら、「サクリファイス」は表紙がこれですから、間違いようがありません。
「競輪の話だ」しかも「推理小説だ」というのが第一印象。
で、読み始めてすぐに「プロトン・・・」の続きだとわかった訳です。
自転車のローでレースですよ。


実際この小説自体、まるで坂を上る自転車のようでした。
別にだらだらと登っている訳でも、すごく無理して登らなくちゃいけない訳でもありませんでしたが、登り始めるまでのペースをつかむのに少し時間が(ページ数)がいりました。
でもまあ、こぎだしたら「イッチ、ニ、イッチ、ニ、」と読み進め、さらに物語のピーク付近が見えてくる頃には、その先にある下りのスピード感を期待してしまうような感じ。
「まぁ、おもしろかった」です。

物語のラストスパートのスピードと、なんちゃって推理小説などんでん返しは、人それぞれ感じ方が違うかもしれません。
でも私は「プロトン・・・」先読みで登場人物の以前の姿を少し知っていましたから、登場人物のストイックさが過剰に伝わってきてよかったです。



でも少し、この作家は苦手かもしれません。
すべての登場人物が今時のアニメの様で、それぞれ個性を強調しようとはしてるのですが人間らしさがなくなってしまっているんです。
アニメのよう、というのは、タッチをかえて個性を強調しようとしても所詮書き手は一人、登場人物が薄っぺらな感じに見えてしまうんですね。

何かちょっと余分なものが足りないっていうか、のりしろがないっていうか。。。。

例えば「プロトンの中の孤独」の方にあるこんなくだり。

「食うか?」
「いいんですか?」
「ああ、多く作りすぎたんだ。嫌じゃなきゃ食えよ」
石尾は素直に受け取って、アルミホイルを開いた。挟まれているのは、カリカリに炒めたじゃがいもを入れてみっしりと焼いたトルティージャだ。糖質とタンパク質、そして多すぎない脂質とバランスがいい。

これでも十分おいしそう。
けれどもプロだったら、ほんの少しのアンチョビとディル、あるいはローズマリーと蜂蜜くらい、隠し味に使ってもいいんじゃないかしら。
そしたらサンドイッチを作った赤城さんという人が、ちょっと料理が好きという意外な一面がおまけでついてくるでしょ?


Nやんの「まーおもしろい」も案外的を得た表現だったりしてますよ。
はい。
まぁ、面白かったです。

おまけ;
ストーリーセラーには伊坂幸太郎も書いてます。
有川浩もちょっと気恥ずかしい面もありますが面白いです。
Story Seller (新潮文庫)Story Seller (新潮文庫)
(2009/01/28)
新潮社ストーリーセラー編集部

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「凍」沢木耕太郎
- 2010/01/23(Sat) -
凍
(2005/09/29)
沢木 耕太郎

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あなたは、しもやけにかかったことがあるか?


(笑)
と、大上段に構えるほどの質問ではありませんが、どうですか?しもやけですか?
幸いにも私は患ったことはないんですが、nobuはしもやけらしく寒くなってからは「いたい」と嘆いています。
あれは痛いものなんですね。

しもやけの方は読まない方がいい。
そういう小説です。


私の父は昔は山登りをしていたらしいですが、
私の登山経歴と言えば。。
1)10年くらい前に富士山5合目まで車で登った
2)20年くらい前に上高地の徳沢キャンプ場でキャンプした
といった華々しいものです。

そんな私ですから山岳小説はまず手に取りません。
ホラーでもないのに苦しんでいる人の描写は読みたくないものです。
だがしかし、これは面白い。

登山家の山野井泰史さんが本当に淡々と山に登ることが書かれています。
さすがという感じの沢木耕太郎で、山野井泰史さんが一つの山に登るエピソードの中にほかの時系列をいくつも織り交ぜ、読み手を飽きさせることがありません。
あぁ、失礼。
どこもぜんぜん「淡々と」ではありませんでした。
よく「なぜ山に登るのか?」「そこに山があるからだ」なんつーことがワンフレーズで言われますが、それはあまりにも稚拙で乱暴で山野井さんのようなクライミングをする人たちにとっては軽すぎる表現なのでしょう。
でも、ほんとに「その山に登りたいから」登るんですね。
でも、ほんとに「なんで???そこまでして、どうして?」と聞きたくなるようなクライミングなんですよね。
凍傷で指がだんだん凍っていく有様だとか、雪崩を受けて垂直の壁の途中で過酷なビバークをする有様だとか、ほんとにまったく。。。。

ただし、その過酷さと生々しさをいわゆる通り一遍なノンフィクションの手法で書かれていたとしたら、私には読めなかったでしょう。
いくら過酷な状況でも、記録しただけの文章というのでは読み物として退屈になっちゃうからです。
う~ん。沢木耕太郎という作家を改めて知ったような気がしました。
ノンフィクションなんですが、フィクションのようである。
沢木耕太郎ですね。
フィクションである小説はいかに読者をその世界に引きずり込むかということをモットーにしていると思うのですが(モットー?)、ノンフィクションな話題でこの作戦が成功してしまうと、そりゃもう大変ですよ。
「このビバークの描写はフィクション過ぎやしないか?」とか思う前に読み進めてしまいます。

早く読み終わらないと凍傷(しもやけ)になりそうで(^_^;)

山に登らない私だから、おもわず引き込まれて読んでしまうのかどうかわかりませんが、
そんな過酷な山の描写のしかない中に(実際山頂に立つシーンはほんの数行)山に登る「なぜ?」が描かれているような気がしました。

沢木耕太郎という人は「人の熱」を書き表すのがすごい作家なのだな、という感想。
あなたも何か「熱い」ことをしたら沢木耕太郎が自伝を書いてくれるかもしれない。
そしたら間違いなく「お願いします」と言いましょう。

熱くて凍える読後感でした。
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教授の本棚
- 2010/01/23(Sat) -
お久しぶりです。
今日は飛行機雲がきれいです。
高度1万メートル越では風もそんなにないんでしょう。


この数ヶ月、何をブログに書いていこうか、何を残していこうか、数年後それをみたとき何を思い出すのか考えていました。
日常の話は日常すぎて後から自分で読んだらつらくなるかもしれないし、第一つまんないです。
東京では被写体も少ないし、うちの7&2&8ばかり撮っていたら、ただのペットブログだし。

それで、本の話を書くことにしてみましたんです。


その原因になったのが、うちの教授たち。
うちの部署には二人の教授がいます。
二人とも多忙を極めているんですが、二人ともものすごく本を読みます。

そのかたっぽの方の話。


Nやん(教授。。笑)は天才のうえに努力までしてしまった外科医です。
今のところ彼がどのくらいすごいかは置いといて、専門書の監訳や農水省やら学会やらの間に「いつ読んでんだよ?」ってくらい本を読んでるということを最近実感しました。

うちの建物で一番特等席の、Nやんの日のあたる角部屋教授室には、教授室にふさわしくでっかい本棚が一面を閉めているんですが、その一区画がここ数年の小説本棚です。
「けっこう、この区画スキかも」
前から沢木耕太郎のオススメ本があると言っていたNやんが、もそもそ言いながらさらにオススメの数冊をとりだしてくれました。
その本棚の手前の方には私の好きな本も並んでます。
「あ、これ持ってます。この人のこれとこれ、いいですよね」
「うん・・・その2冊は良かった」
「私、ほかの本も読んだんですよ。でもあんまりだったです」
「うん・・・最近のはあまりよくないな」
・・・・ほかのも読んでんのかよ(^_^;)どんだけ読んどるんじゃい。

Nやんが「とりあえず」と言って貸してくれたハードカバー4冊。
せっかくだし、まずはそれから読後感を書いて残しておこうと思いました。
しばらくは読み物に困らずにすむ♪


ちなみに、Nやんは私のことを「あらふぉー」「ぽにょ」とかいっていじめますが、1月1日生まれのAB型のMジャクソンと同い年な「アラフィフ」です。
そして何より、ほかの優秀な外科医同様、才能を手に入れる代わりに何か大事なものを売り渡してしまったような性格をしています(^_^;)
だから敵も多いです。だからといって味方が多い訳ではありません。
でも光栄なことに(^_^;)私とジャズの趣味も合います。
やれやれ。
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